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共有名義・家族名義の不動産、任意売却で気をつけたいこと

任意売却・競売
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不動産の名義が一人ではなく、夫婦の共有名義になっている、あるいは親から譲り受けた家族名義になっている、というケースは少なくありません。名義が複数人にまたがっていると、任意売却を進める際に、単独名義の場合とは異なる注意点が出てきます。今日は、共有名義・家族名義の不動産を任意売却する際のポイントを整理します。

共有名義とは何か

共有名義とは、一つの不動産を複数人が「持分」という形で所有している状態です。たとえば、夫婦でペアローンを組んで住宅を購入した場合、それぞれの出資割合に応じて持分が設定されていることが多くあります。

「不動産全体の売却」と「自分の持分だけの売却」は別の話

不動産全体を売却する場合は、原則として名義人全員の同意が必要です。一方、自分の持分だけであれば話は別で、民法(第206条・第250条など)上、各共有者は自分の持分を自由に処分する権利を持っており、他の共有者への事前相談や同意、承諾印は法的には一切不要です。

つまり、「不動産全体を売る」のか「自分の持分だけを売る」のかによって、必要な手続きがまったく異なります。この違いを理解しておくことが、共有名義の不動産と向き合う出発点になります。

持分だけを売却する場合の実務上の注意点

市場価格より大幅に安くなる
持分だけを買い取っても、不動産全体を自由に利用・売却できるわけではありません。利用制限や共有者間トラブルのリスクを伴うため、一般的な市場価格(不動産全体の価格×持分割合)よりも大幅に低い価格になりやすく、場合によっては市場価値の半額以下から数分の1程度での取引になることもあります。

一般的な個人への売却は難しい
マイホーム目的の一般的な買主が、共有持分だけを購入することはまずありません。売却先は主に「他の共有者」か、「共有持分を専門に買い取る不動産業者」に限られてきます。

他の共有者との関係への影響
法的に同意が不要とはいえ、見知らぬ買取業者に持分が渡ると、その業者が他の共有者に対して賃料相当額の請求(不当利得返還請求)や、共有物分割請求(場合によっては競売の申し立て)を行うケースがあり、他の共有者との関係が悪化する可能性があります。

持分を売却する3つのパターン

他の共有者に買取りを打診する
最も円満に進みやすく、価格面でも妥当な条件で取引できることが多い方法です。

共有者全員で協議し、不動産全体を売却する
全員の同意が必要になりますが、市場価値に近い金額で売却でき、売却益を持分割合に応じて分配できます。

専門の買取業者に持分のみを売却する
他の共有者との関係調整を避け、早期に現金化したい場合の選択肢です。ただし、前述の通り価格は大幅に下がりやすく、他の共有者との関係にも影響が出る可能性があるため、他の方法が難しい場合の最終手段と位置づけておくのが現実的です。

家族名義が絡む場合に起こりやすい問題

名義人の一部と連絡が取れない
離婚後に元配偶者と連絡を取っていない、名義人である親族が遠方に住んでいる、といった事情で、不動産全体の売却について合意形成が進まないケースがあります。

名義人の間で売却への考えが一致しない
一方は「早く売却して整理したい」、もう一方は「もう少し様子を見たい」というように、名義人の間で意向が分かれることがあります。特に離婚に伴うケースでは、感情的な対立から話し合いが進まないことも少なくありません。

名義人の一人が認知症などで判断能力が低下している
高齢の親と共有名義になっている場合、親の判断能力が低下していると、不動産全体の売却には同意を得られず、成年後見制度などの利用を検討する必要が出てくることがあります。

共有名義の不動産と向き合うためにできること

早い段階で全員の意向を確認する
不動産全体の売却を検討し始めた時点で、名義人全員に状況を共有し、意向を確認しておくことが大切です。

代表者を決めて窓口を一本化する
名義人が複数いる場合、不動産会社や金融機関とのやり取りを一人の代表者に集約すると、手続きがスムーズに進みやすくなります。

話し合いが難航する場合は第三者を交える
名義人同士だけで話し合うと、感情的な対立が生じやすい場合があります。弁護士や任意売却の専門業者に間に入ってもらうことで、客観的な立場から状況を整理してもらえることがあります。

他の共有者との合意形成が難しく、それでも持分だけでも換価したいという場合には、訳あり不動産を専門に扱う買取業者に相談するという選択肢もあります。市場価格より安くなる前提を理解したうえで、査定だけでも受けてみる価値はあります。
他社で断られた物件でも買取りが可能「ワケガイ」

まとめ

  • 不動産全体の売却には名義人全員の同意が必要だが、自分の持分だけなら民法上、単独で自由に売却できる
  • 持分だけの売却は市場価格より大幅に安くなりやすく、買主も他の共有者か専門の買取業者に限られる
  • 専門業者への持分売却は、他の共有者との関係悪化につながることがあるため、最終手段と位置づけるのが現実的
  • 最も円満なのは他の共有者への打診、次いで全員で合意して不動産全体を売却する方法

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。実際の共有名義不動産の売却にあたっては、弁護士等の専門家にご相談のうえ進めてください。

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