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学費はNISAより個人向け国債?100万円の実質利回り

資産運用
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学費のように元本を減らせないお金は、新NISAより個人向け国債の方が安心です。2026年8月発行・固定5年(表面利率2.06%)を100万円購入した場合、満期時と中途換金時、それぞれの実質利回りを具体的な数字で比較します。

学費は「使う時期が決まっているお金」という前提

資産運用を考えるとき、私はまず「そのお金をいつ・いくら使う予定か」を分けて考えるようにしています。学費は、他の資産と性質が異なります。

  • 使う時期がほぼ確定している(入学時期・進学時期から逆算できる)
  • 使う金額もある程度確定している(授業料・入学金などは事前に把握できる)
  • 「増やせなかった」より「減ってしまった」ことのほうが痛手になる

つまり学費は、「増やす」ことより「減らさない」ことが優先されるお金です。この前提を持たずに、余裕資金と同じ感覚で値動きのある商品に置いてしまうと、いざ必要なタイミングで元本割れしている、という事態が起こり得ます。

新NISAと個人向け国債、何が違うのか

新NISAは、運用益が非課税になる制度であり、それ自体はとても有利な仕組みです。ただし、非課税なのはあくまで「利益が出た場合」の話で、投資信託や株式である以上、値下がりして元本を割り込む可能性はゼロではありません。

一方、個人向け国債は、日本国が元本と利子の支払いを行う商品です。発行後1年が経過すれば、いつでも中途換金でき、その際も額面100%で買い取られるため、元本割れはしません(中途換金時には後述する調整額が差し引かれますが、これは「利息の一部が減る」仕組みであり、元本そのものが減るわけではありません)。

この「元本保証があるかどうか」が、学費用の資金を置く場所を選ぶうえでの一番の分かれ目になると考えています。

個人向け国債(固定5年)の仕組みと、今の金利水準

個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があり、固定5年は購入時点の金利が5年間変わらないタイプです。1万円から1万円単位で購入でき、年2回(利払い月は銘柄により異なります)利子が支払われます。

2026年8月募集分(第185回)の固定5年の条件は、次の通りです(財務省発表の条件をもとに確認)。

  • 表面利率(年率・税引前):2.06%
  • 税引き後想定利率(年率):約1.64%
  • 償還日:2031年9月15日
  • 購入単位:1万円以上1万円単位

固定5年の金利は、この数年で明確に切り上がっており、2026年8月募集分は2%台に乗っています。低金利が続いていた時期に比べると、「預貯金に置いておくよりは増える可能性がある、元本保証型の選択肢」として検討しやすい水準になってきた、というのが実感です。

※金利は毎月の募集ごとに見直されるため、実際に購入を検討する際は財務省または取扱金融機関の最新情報をご確認ください。

中途換金したらどうなるか——100万円で試算してみた

個人向け国債は、発行後1年経過すればいつでも中途換金できますが、その際「直前2回分の税引前利子相当額×0.79685」が中途換金調整額として差し引かれるルールになっています。つまり、直近1年分の利息が実質的になくなる、というイメージです。

以前、学費の準備方法について相談を受けた際、参考として簡単な試算資料を作ったことがあります。そこでは購入金額1,000万円のケースで計算していましたが、実際の家計で扱う金額としては大きすぎるため、今回は100万円購入したケースに置き換えて再計算しました。

個人向け国債・固定5年(第185回)を100万円分購入し、各時期に中途換金した場合の試算

解約時期実質利回り(年率換算)受取総額実質増加額備考
1年後に解約0.00%100.0万円±0万円手取り利息は実質ゼロ
2年後に解約約0.82%101.6万円+1.6万円1年分相当の利息が残る
3年後に解約約1.09%103.3万円+3.3万円2年分相当の利息が残る
4年後に解約約1.23%104.9万円+4.9万円3年分相当の利息が残る
5年後(満期)約1.64%108.2万円+8.2万円満期。5年分をフル受取り

※税率20.315%を差し引いた税引き後ベースの参考試算です(千円未満四捨五入)。各利払日での解約を仮定した概算であり、実際の解約日や中途換金調整額の計算方法によって受取額は多少異なります。

この表から分かるのは、「1年以内に解約すると利息はほぼ残らない」という点です。逆に言えば、少なくとも1〜2年は動かさない前提の資金でないと、固定5年のメリットは活かしきれません。学費のように、ある程度先の使用時期が決まっているお金だからこそ、この商品と相性が良い、という理屈になります。

学費のための「バケツ分け」、私はこう考えている

資産運用の相談でよく使われる考え方に、資金を用途別の「バケツ」に分けて管理する、というものがあります。私自身も、学費のような「減らせないお金」を考えるときは、大きく2つのバケツに分けています。

  • 近い将来、確実に使う予定のお金:元本保証型の商品(個人向け国債、定期預金など)に置く
  • 当面使う予定がなく、長期で増やしたいお金:新NISAなど、値動きのある商品で運用する

この分け方のポイントは、「同じ家計の中のお金でも、役割によって置き場所を変える」という点です。すべてを新NISAに集中させれば、非課税メリットは最大化できますが、学費が必要なタイミングでちょうど市場が下落していた場合、取り崩すこと自体が難しくなります。逆に、すべてを預貯金や国債に置けば安全ではありますが、資産を増やす機会は限られます。

どちらか一方が正解というわけではなく、「このお金は何年後に、いくら必要か」を先に決めてから、置き場所を選ぶ、という順番が大切だと考えています。

判断基準:どのくらいの金額・期間を国債に振り分けるか

学費用の資金を個人向け国債に振り分ける際、私は次のような点を判断基準にしています。

  • 使用時期までの残り年数:1〜2年以内に使う予定なら、中途換金調整額の影響が大きいため、定期預金など、より流動性の高い商品も選択肢に入れる
  • 必要金額の確度:進学先や時期がほぼ確定しているなら固定5年、まだ流動的なら固定3年や預貯金との組み合わせも検討する
  • 他の資金とのバランス:生活防衛資金(緊急予備費)を別途確保した上で、余剰資金の範囲で振り分ける

固定5年は5年間金利が固定される代わりに、その間に市場金利がさらに上昇した場合、その恩恵は受けられません。「今の金利水準で確定させたいか」「金利がさらに上がる可能性に賭けるか」という視点も、選ぶ際には意識しておきたいところです。

現状把握から始める

ここまで、個人向け国債を使った学費準備の考え方を整理してきましたが、大前提として、まず自分の家計で「いつまでに、いくら必要か」を数字で把握することが出発点になります。学費の総額、現在の貯蓄額、毎月積み立てられる金額——この3つが分からないままでは、国債にいくら振り分けるべきかも判断できません。

漠然とした不安のまま「とりあえず投資を始める」のではなく、まず現状の数字を洗い出し、その上でどの商品にどう配分するかを考える、という順番を大切にしています。

まとめ

  • 学費は「使う時期・金額がほぼ確定しているお金」であり、増やすことより減らさないことを優先すべき
  • 新NISAは非課税メリットが大きい一方、元本保証はない。個人向け国債は元本保証があるが、中途換金には調整額がかかる
  • 2026年8月募集分の個人向け国債(固定5年)は表面利率2.06%、税引き後想定利率は約1.64%
  • 中途換金調整額のルール上、発行後1〜2年以内の解約では利息がほとんど残らない
  • 資金を「近い将来確実に使うお金」と「長期で増やしたいお金」のバケツに分けて考えることが、置き場所選びの出発点になる

免責事項

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の商品への投資を推奨するものではありません。個別の投資判断・税務判断に対する助言ではなく、金利・条件は変動するため、実際の購入検討にあたっては財務省・取扱金融機関の最新情報をご確認の上、必要に応じて税理士・FP等の専門家にご相談ください。投資は元本割れのリスクを伴う場合があります(個人向け国債は中途換金時の元本保証があります)。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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